サンマあれこれ・・・サンマのワタ煮(レシピ付き)
2016/08/30
サンマと言えば、目黒。そして秋、というのが通り相場。「目黒」はともかく、「秋」は皆さんの共通認識ではないでしょうか。 私は東京に住んでいますが、その昔はサンマと言えば銚子産がメインでした。その頃は、サンマは秋のもの、という認識が私にもありました。
ところが、20年ほど前にかなり大きな変化がありました。北海道産の丸々と大きな鮮度の良いサンマが、7月下旬には東京でもマーケットに並ぶようになったのです。かなり高い(当時、7月下旬の大きなものは1匹1000円以上しました)のですが、そのあまりにも美しい姿に、思い切って食べてみてびっくり。9月以降のサンマとは比べ物にならないくらい美味しいのです。値段が高いのでおいそれとは買えませんが、それ以来「サンマは北海道」が私の認識になりました。
北海道産が増えたのは、保存・運搬技術が上がったのが大きいでしょうね。北海道という遠隔地からのサンマも、銚子産に劣らない鮮度で手に入るようになったことが、北海道のサンマが東京で普通に食べられるようになった理由です。意識して料理をするようになった35年前に比べれば、「どこのものでも似たような鮮度で食べられる」ということはすごいことですね。つまり、現代では「物そのものの勝負」になっているわけです。
どうして北海道のサンマが美味しいのか。「脂が乗って美味しくなるのは9月下旬から」というのがそれまでの常識でしたから、不思議に思いました。あれこれと調べたり考えたりして、その理由がはっきりしました。サンマは8月に北海道沖、しばらくして三陸沖、銚子沖、と下ってきます。その間、潮に乗ったたっぷりの餌を食べて美味しくなる、というのが過去の定説。ところが、北海道沖(特に釧路沖)には豊富な餌場があって、そこを通るサンマたちはとっても美味しいのだそうです。その後、三陸沖を南下するに連れて餌の種類が変わる。だから味も変わる。どっちが美味しいのかは好みなのかもしれませんが、北海道産の方が食べた時に脂が綺麗な気がします。だから「脂っぽい」とは少しちがう。むしろ、三陸より南のサンマの方が「脂ぎってる」ように思います。捕り方も違うのかもしれませんが、北海道産の方がピカピカと輝いているようにも感じますし、大きさも北海道産の大きい物の方がすっと立派です。しかし、去年、今年と、例年よりはやや小ぶり。2週間前に今年初めて買った時は、それほど大きくありませんでしたが、昨日買った物は今年見た物の中では一番立派でした。
最初の写真は、やや小ぶり。「普通サイズ」と言ったところでしょうか。このくらいだと、サンマだけで「お腹いっぱい」にはなりませんから、夏野菜(ゴーヤなど)を豚肉少しでトマト炒めにしたものをつけました。昨日のサンマは、ほぼ十分な大きさ。同じ「サンマ皿」に乗っていますから、大きさの違いは一目瞭然です。これなら、あとは軽くて済みます。サンマを焼いただけで、あとは軽〜く、という献立になりました。
塩焼き以外のサンマの食べ方といえば「刺身」ですが、あまり好きではありません。というより、皮を引いて内臓を捨ててしまうのが勿体ない! 処理しきれないほど買ってしまったら(押し売りされたら、とも言います/笑)、煮たり干物にしたりしますが、やはり塩焼きに勝るものはないですね。例外は、パスタ。イワシのパスタのようにサンマで作ってもとても美味しくできます。
初サンマの献立
サンマの塩焼き
夏野菜の炒め物(豚コマ肉、ゴーヤ、ししとう、マイタケ、トマト)
酢の物(きゅうり、わかめ)
やっこ(オクラ、みょうが、自家製の素麺用の出汁)
枝豆
ビール、日本酒
サンマ2度目の献立
サンマの塩焼き
ホンビノスの酒蒸し
冬瓜の煮物
やっこ(オクラ、自家製素麺用の出汁)
枝豆
トマト
ビール、日本酒
サンマのワタ煮
お昼用に作ったサンマの煮物です。煮るときにワタを使います。好みが分かれるかもしれませんが、濃厚な味になって美味しく食べられます。
サンマは頭を外し、内臓からワタだけを別にして取っておく
サンマ本体はぶつ切り
たっぷりの酒と少量のみりんを合わせて煮切り、醤油を適量入れる
スライスした生姜をたっぷり入れて、煮立ったらサンマを加える
煮立ったら弱火にして10分ほど煮てできあがり